もしかして これはあるのか 最多勝
とか川柳風に言いたくなる菅野智之3年ぶりの完封。
ついこの前、3連戦を赤星・井上・智之じゃリリーフが大変、と書いた管理人は謝らなきゃいけない。
全盛期みたいに強いストレートで押していく内容ではないけれど、コーナーに投げ分け相手を翻弄してみせた姿は紛れもなく巨人の大エース。
しかもビジターで狭いハマスタ、相手は強打のベイス。更にこの夜でもクソ暑い気候の下なんだから価値あるね。
そして掴んだハーラートップの9勝目にふと思う。
4年ぶりの最多勝あるんじゃないか?いやマジで。
なぜなら、智之の登板日はカード3戦目の日曜日。
エース格が出てくるカード初戦に比べると勝つ確率が高い日。今日ほどの内容でなくとも勝ちを見込みやすい巡り合わせにある。どれだけ内容が良くてもなかなか勝てなかった全盛期の智之とは真逆の環境だ。
そして戸郷や伊織じゃなく、それほど期待されていなかった菅野智之がそれだけやれたら、もうぶっちぎりで優勝だよ。前半戦の僅差が嘘のように秋には大差になってるよ。
☆某アバターアプリがサービス終了してしまった影響で普段来ない人たちがこのブログに来てくれていることを考慮し、しばらくの間野球以外の記事を多めに☆
いくら小学校の運動会で順位を付けないようにしたところで、社会に出ればイヤでも競争は付いて回る。
営業職なら成績のノルマや課内での順位は不可避だし、風俗・水商売だって指名本数で露骨に現実を見せつけられる。もちろん野球を始めとするプロスポーツの世界も言うに及ばず。
そして管理人が知る限り、もっとも厳しい競争原理の中に置かれているのが週刊少年ジャンプの連載陣だ。
ジャンプといえばいわゆる「打ち切り」が名高い。
毎週の読者アンケートで人気の取れないマンガは否応なしにバッサバッサ打ち切られる。
【2021年連載開始作品】
・まだ連載中のもの 3本
・既に連載終了のもの 9本
【2022年連載開始作品】
・まだ連載中のもの 1本
・既に連載終了のもの 9本(うち1本はジャンプ+に移籍)
【2023年連載開始作品】
・まだ連載中のもの 3本
・既に連載終了のもの 8本
いやぁ、こうして見るとなんたる厳しさかと改めて思う。
だからこそ、質の高いマンガだけが残り週刊マンガ誌日本一の座を長年守り続けられているのだけど、本当に過酷な世界で漫画家先生たちが心身ともにいかに苦労されているかを思うと頭が下がる。
一時期みたいに僅か10話程度で打ち切ることはなくなったようだけど、ここ3年の中でも全19話で切られたものが4作、20話が1作、21話も1作ある。
ナントカ漫画賞を受賞して初の連載に挑んだ新人の作品だろうが、過去にジャンプで連載経験があり実績のある先生の新作だろうが、読者アンケートで人気が出なければ即打ち切る。
ジャンプ本誌の掲載順は基本的にそのアンケートの人気順になっていて(新連載作品の8週間補正等例外はあり)、管理人みたいに毎週読んでると掲載順が段々と下がっていって次に打ち切られる作品がわかるようになる。
大人もたくさん読んではいるけど基本は子供向け、週刊『少年』ジャンプは、大人同士が激烈な戦いを繰り広げる中で作られ、社会の厳しさ、競争に勝つことの過酷さがベースにある。
ジャンプを読んでいる子たちは、運動会での順位を付けないようにしようとも心の根底で競争原理を刷り込まれてる。
そして、管理人がなぜ今これを書きたくなったかというと、なかなかおもしろいなあと毎週楽しみにしていたマンガが立て続けに終わってしまったから(魔々勇々もグリーングリーングリーンズも本当にもったいない)。いや、掲載順は後ろから3つ以内の常連だったので予想はしていたけれども。
じっくり時間をかけてドラマを描きたいとか、たくさん伏線を張ってから本題を盛り上げたいとか、そういう手法は残念ながらジャンプには向かない。他誌だったらこんなに早く終わらず、もっともっと長く連載できたんじゃないかと思うような作品も山ほどある。
ここ数年のジャンプは、相撲でいうなれば不動の横綱がワンピース、大関が呪術とヒロアカ。
この牙城を切り崩す作品が現れないまま、両大関は今年中に完結すると言われてる(ヒロアカはもうカウントダウン)。
出版不況が叫ばれ、日本各地で本屋さんが減っている中、まだ毎週100万部を維持している王者少年ジャンプ。次世代のワンピースはいつ出てくるのか、鬼滅のように社会を揺るがすほどヒットする作品はこの先あるのか。管理人はマンガだけでなく、毎週の掲載順やその奥にある激しい競争が見え隠れするのも楽しみにしてる。
岸田っていわゆる「打てる捕手」みたいな言い方をされている。
実際ここまでで92打席立って打率284。打低の今シーズンじゃもう十分すぎる成績だ。
だけど、それは少し差し引いて考えるべきというか、鵜呑みにしちゃいけない部分がある。
早い話、岸田って敵からノーマークなんですよ。
去年までほとんど試合に出てないし、出ても途中出場で打席も多くなかった選手。
岡本坂本みたいなジャイアンツのレギュラーなら徹底的に分析研究されて、得意なコース、効果的な攻め方、ありとあらゆる角度から丸裸にされる。
でも、さすがに去年までの岸田だとそれには及ばない。岸田には申し訳ないけど、重要度が高くないからこその打撃好調と一歩引いて見なきゃいけない。これは同じことがカトケン、實松、古くは鶴岡にも言えた。
他球団が徹底マークしてきて、自身も週に6回試合に出て、サインを考えピッチャーの調子を見極め、疲労困憊の中で打ててこそ「打てる捕手」なんだよね。
そして、だからこそ去年一昨年その環境下で、
2022年 115試合 266 13本
2023年 134試合 281 16本
と、十分に打者として機能した大城には価値がある。
セリーグ全球団から徹底マークされ毎日毎日リードで頭を悩ませながら打ったヒットと、たまに試合に出て大勢が決した後で打ったヒットじゃ意味が違う。岸田であれ小林であれ、その他若手も含めてもまだまだ大城には全然及ばない。それだけ去年一昨年の大城には価値があった。
おかえり大城。
どんなにつらかったかは想像がつくけど、ここから挽回して「やっぱり巨人に大城あり」を見せつけよう。
巨人の正捕手は大城。
あるべき形に戻ったし、エリーといいどんどんスタメンが完成されていく感がある。
交流戦も後半戦、このまま一気に駆け抜けよう。