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山ほどマンガを読んでるけど鳥山明ほど魅力的で上手い絵を描く人っていないんですよ。合掌。     ※コメントに書きたくないご意見ご感想はcoolvanilla3(アットマーク)gmail.com までどうぞ  
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「ダイヤモンドの功罪」

見事、本年度の「このマンガがすごい!」1位に輝いた本作。
散々描き尽くされた感のある野球マンガだけど、この角度から描いたのは特筆に値する。
舞台は少年野球。主人公はあまりにスポーツ万能すぎて、むしろそれをコンプレックスに感じている小学生。あまりに簡単になんでもこなせるがゆえ孤立し、個人競技に嫌気がさして緩く楽しめる弱小リトルリーグに辿り着いたという設定。そしてこの主人公は気が弱いというのか優しいというのか、はたまた弱いというべきか、争いごとを嫌い自分よりも他者を立てようとする性格をしている。
勝ち負けを気にせず、純粋に野球という競技を楽しめる環境にようやく自分の居場所を見つけたと思いきや、その溢れ出る才能はすぐに周囲の目に留まる。ただ、仲間内で楽しく野球がしたかっただけなのに、いつの間にかU-12の日本代表に選ばれ自分を取り巻く環境がどんどん変わっていく。弱小チームの監督、チームメイトの父親で元プロ野球選手、日本代表のチームメイト(相棒のキャッチャーに「完全試合をしちゃかわいそうだからわざと打たせようか」なんて相談を試合中にする)、周囲を巻き込み翻弄していくものの、自分の中では巻き込まれ翻弄されていると感じている主人公。タイトルのダイヤモンドとは野球のダイヤモンドであり、光り輝く原石のことであり。これは野球に興味がなくてもおもしろいと感じるであろう快作にして怪作。

「BLUE GIANT」



これはすごい。管理人的に2023年はこの作品にしてやられた。
仙台の高校生がジャズに出会い、東京に出てテナーサックス一本でプロになり成長していく過程を描いたマンガ。「マンガなのに音が聴こえる」と言われている評判通り、見事な描写と画力でジャズの心得などまるでない管理人の心にまでしっかり音が聴こえてくる。
そして、今年アニメ映画化され、本当に音がついたこの作品。この映画が管理人2023年のベスト1である。
日本屈指のジャズプレイヤーがこの作品のために書き下ろした曲を、彼らの演奏シーンをモーションキャプチャーして作品に落とし込み、まるで良質なジャズライブを観たかのような気持ちになる作品ができあがった。2時間じゃ尺が足りないんじゃないかという杞憂は、全10巻のうち仙台編を全てカットしたことでキレイに解決した。ラスト、原作を改変してまとめた締め方は賛否あるだろうけど、より映画的にしたと思えばそれもまた良し。大音量で聴ける映画館で観てよかったと思わされたし、あまりの感動に何年かぶりにパンフレットも買った。管理人の斜め前に座ってた女の子は間違いなく泣いてたよ。ホントに大傑作だし、既にDVDも出て各サイトで有料配信にも始まっているのでぜひぜひ見ていただきたい作品。
ちなみに、続編で主人公がドイツへ渡る「BLUE GIANT SUPREME」は全11巻。それを経てアメリカへ行く「BLUE GIANT EXPLORER」は全8巻。今は更にその続編「BLUE GIANT MOMENTUM」が現在進行形で連載中。今、管理人がネカフェに籠る際の必需品である。
繰り返すけど、この映画は本当に傑作。年末年始、テレビやユーチューブに飽きたらぜひ。


最近はなんなら週1以上のペースでネカフェに籠っている管理人(シーズンオフ恒例)。異常な量のマンガを読んでいる自負はあるので、また当たりを見つけたらそのうち書くぜぃ。




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川島・山内のマンガ沼」という番組がある。
麒麟川島とかまいたち山内という当代きっての人気者2人を起用しながら、深夜も深夜ド深夜にやっている番組である。

2人は芸能界屈指のマンガ好き。マンガのことだけを語る番組であるがゆえ、言ってみれば好き好んで深夜にやっているといっていい。管理人もさすがにリアルタイムでは見られず、上にリンクを張ったTVerさんを使って視聴している次第。実に便利な世の中になったもんだ。



そこで川島のオススメマンガとして取り上げていたのがこの作品。
「鬼滅に並ぶ」とまで言った川島の言葉に嘘はなく、さすがの慧眼と恐れ入った。
そう、このマンガ。ひょっとしたらひょっとする。

鬼滅と比較して語りたくなるのには訳があり、明確な共通点がある。
それは、とにかく丁寧に丹念にキャラの背景、過去を描くこと。なぜこの敵キャラが通力を使えるようになったか、それによりどのような人生を歩んできたか、どんな経緯で土御門家に仕えるようになったか。それらがじっくり時間をかけて読者に示される。
ある程度の長編連載が約束されているのか、主人公不在で延々と敵の過去シーンが続くこともあり、各キャラの個性、輪郭がくっきりと際立ってる。

反対に対称的なのは、主人公がとんでもないことに巻き込まれたことだけはハッキリしているけど、それがいったいなんなのかわからない。
「鬼を倒す、妹を人間に戻す」との主題が明確だった鬼滅とは違い、主人公と読者だけが置いてきぼりのまま、周囲の人間に振り回され、救われ、傷つけられ、ただただ翻弄されていく。
ようやく話の道筋が見えてきたのは4巻辺りからで、ただでも隔週発刊のスペリオールで読んでいた人には何の話なのかどころか、誰の話なのかさえわからなかったのではないだろうか。

5巻にしてようやく各キャラの位置関係、主人公が攫われた妻を取り戻すために敵対する陰陽師と戦う構図が見えてくる。そう言葉で表現すると本当にシンプルになるのだけど、事実話の進行としては初回から5巻に至るまであまり進んでいない。
つまりそれだけ各キャラの背景、木でいうと幹でなく、枝であり葉であるエピソードをじっくり描き込んできた証拠。


作者は映画化もされた「累 かさね 」で世に出た人だけど、その頃よりも画力が格段に上がり、クセが無くとても見やすいマンガを描けるようになった。このタッチの絵が苦手な人はほぼいないんじゃないだろうか。
第1話は無料で読めるのでぜひご一読あれ。マンガをたくさん読んできた人ほど気に入る作品なんじゃないかな。



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ある世代において、ワンピースという作品は誰しも一度は読んだことがある共通項に近い。
マンガを全く読まない人はさておき、マンガでもアニメでも映画でもどこかで一度は触れてきている。そして25年も連載が続いていることもあってその世代が尋常じゃなく幅広い。

一度は夢中になった人も、いつしか勝手に船を降りる。
就職、結婚、出産。人生の転機が訪れ、環境が変わりマンガからワンピースから離れていく。
かく言う管理人もそう。かつて号泣するほどのめり込みながらも、いつの間にか心が離れてしまっていた。

でも、ずっとずっとルフィとその仲間たちは果てしない冒険を続けてる。
興奮と感動を与えてくれたあの頃と何も変わらず壮大な旅の途中にいる。

・・・前置きが長くなったけど、管理人はまたサニー号に乗りルフィの冒険に付き合うことにした。
きっかけは最近まで漫画アプリでやっていた90巻までの無料開放サービス。気が向いて少し読んだら、やっぱりむちゃくちゃ面白く感じた上に懐かしさも相まって止まらなくなり、なんと1話から910話まで読破してしまった。



時を同じくして(これはまた別のきっかけなのだけど)週刊ジャンプも買い始め、過去の復習もリアルタイムの進行も抑えた(後はちょうどすっぽり抜けてる「ワノ国編」をコミックスで追うのみ)。
今じゃ1回500円もするガチャを回してフィギュアを集め、サンシャインの麦わらストアにもちょくちょく行くようになったくらいだ。


大きな感動をもらった作品だし、日本マンガ史上ナンバーワンのヒット作である以上、数年後に控える最終回の頃にはメディアミックスで大いに盛り上がるはず。進撃や東リベみたいにしれっと静かになんか終わる訳がない。
その祭りが起きたときに乗り遅れない準備はできた。あとは毎週のジャンプを楽しみに、時折は過去を振り返ってその日を待つよ。

そして、願わくばプリンちゃんが再登場してサンジと結ばれますように・・・。






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「何のマンガ?」

と訊かれると非常に答えに困る。
ラジオ業界が舞台だけどそれが話の軸とはとても言えないし、恋愛要素も無いこともないけど間違っても中心には置かれていない。

「どんなマンガ?」

と訊かれれば、逆に答えはシンプルになる。
これは「おバカでパワフルなアラサー女子が周囲を巻き込んで繰り広げる日常コメディ」。

何がテーマ、何が軸じゃなく、どこにでもいそうなダメ女子、男を見る目もなくバイト先もクビになりかけているダメ女子の生き様こそが話の中心にある。
主人公はバカだけど生命力に満ち溢れ、男を見る目はとことん無いけれど喋りの才能には恵まれている。そんな女子がひょんなことから深夜ラジオのパーソナリティーを務めることになる物語。

そしてこれがおもしろい。ふきだしを用いて書かれるセリフじゃなく、その脇に小さく手書きで書かれている小声のセリフ、もしくは心理描写が本当におもしろい。
腹を抱えて笑うようなギャグテイストではないのだけど、なんだか笑えて目が離せなくなりどんどん読み進めてしまうコメディ。

更にこの作品を異質なものにしているのが作者があの沙村広明であること。
そう、あの「無限の住人」の作者が描く、無限~とはまるで違うドタバタ社会派(?)マンガ。
日常ものがこの作品の肝(きも)なのだけど、しっかりと起伏のある事件も起きるしグッと引き込まれる。既刊8巻、追い付いておいて損なし。にほんブログ村 野球ブログ 読売ジャイアンツへ
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問題作である。
法律をテーマにしたマンガが珍しくもなくなる中、いつかこの手のものが出るだろうと思ってはいたけど、予想以上に問題の核心ど真ん中を突いてきた、これは快作にして怪作である。

過去に何度か触れてきたけれど、管理人の本業は不動産屋である。
かれこれ20年超の業界キャリアがあり、関連する国家資格を3つほど保有している(自分で言うのもなんだけれども)一端のプロである。
そのプロである管理人が断言するが、不動産業界とはグレーであり玉虫色の業界。
法の隙間を縫うようなギリギリのことがまかり通るし、一般の人が知らないであろうことを知らないのをいいことに慣習とする風土がある。都合のいい法解釈をしてルールを作り、おかしなことをおかしなまま通してきた歪な業界なのである。

本作はそこにズバッとメスを入れた問題作。
嘘で成り上がってきた不動産営業マンがひょんなことから嘘を付けない体質になり、売り手に買い手に、オーナーに入居者に、本当のことをベラベラとしゃべり倒してしまうことでストーリーが展開する。
一応、社内ライバルの出入りがあったり、主人公のいる不動産会社を敵視する同業他社が登場してきたりはあるが、あまり物語の縦軸は重要じゃない。話の主眼はいかに不動産業界がおかしいか、異常なことがまかり通っているかを白日の下に曝すことにある。

取り上げられているテーマは、
「敷金を返さない大家、中間省略、瑕疵担保責任、事故物件、底地借地、リバースモーゲージ、広告料、再建築不可物件、法定更新&賃料増額請求、既存不適格物件、仲介手数料上限・・・etc」
ありとあらゆる不動産の諸問題をバッサバッサと斬っていく内容で、この業界に身を置く側からすると、おいおいそんなことをバラしてくれるなと言いたくなる話がてんこ盛り。ところどころ違和感のある部分もあるけれど、8割9割は正しいことを言っていて「あぁ痛いところを突かれた」と唸ってしまうような逆説的不動産教科書。非常によくできてますよこれ。

地面師、シェアハウス不正融資に代表されるスルガスキーム等、世の中を騒がせたりニュースになった不動産絡みの話もタイムリーに取り上げていて読み手を飽きさせない工夫も見える。
既刊12巻で来春にはドラマ化されるなんて噂もあるけれど、不動産屋的にはあまり売れてくれるな、あまり目立ってくれるなと言いたい気持ちもあるw
そして、裏側を暴く的なテーマでここまで長期連載できてしまう不動産業界ってなんなんだと改めて思う・・・。にほんブログ村 野球ブログ 読売ジャイアンツへ
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久々のマンガネタである。

皆さんは「ジャンプ+(プラス)」というアプリをご存知だろうか。
名前から想像して単なるジャンプのweb版と思ったら大間違いで、ほとんどのマンガが無料で読めるすごいアプリ。ここで売れて本誌掲載を目指す的な要素も強い、いわばジャンプの2軍のようなマンガアプリだ。
紙媒体と違ってページ数に制限がないからものすごい数の作品が連載されているし、ジャンプ本誌に載っている作品の試し読みができたりもする。

その中で本誌掲載作品を上回る勢いで売れ続けているのがこのマンガ。
ゆるーいホームコメディで、どこか遠い昔にこんな雰囲気の作品を読んだことがあるような錯覚に陥る。

テーマは偽装家族。父はスパイ、母は殺し屋、娘は超能力者で飼い犬は兵器としての訓練を受けた軍事犬。彼らの利害が一致し、血の繋がらない家族を演じることになったストーリー。


ここだけ拾うとどこがホームコメディだと言われてしまいそうだけど、ご安心あれテイストはまったくもってコメディ。それも誰も傷つけない優しさに溢れたコメディ。
主人公(なのかな?)のアーニャは超能力で心が読めても所詮は6歳の女の子。父の思いとすれ違い空回りし、それがまた微笑ましい。学園生活もかなりのウエイトで描かれ、ここのほのぼの加減が本作の色を決定付けているように思う。

おそらく冷戦時ドイツがモデルであろう舞台で、スパイ父の国を背負う活躍、殺し屋母の暗躍も描かれながら、ダークな空気は一切なくどこまでもカラっとしたコメディテイスト。
画力も非常に高く、かつ読み手を選ばないクセの無い絵柄。ストーリーにツッコミどころは多々あるけれど、これはそこを気にするべき作品じゃない。
心がほっこりしたいとき、人に優しくなりたいときに読むべきハートウォーミングなマンガ。

そして、冒頭の話に戻るけれどもなんたって(初回一度だけ)無料で読める。これは何にも勝る強み。
管理人はまんまと沼に嵌り全巻揃えてしまったし、7巻までの累計で1,000万部を超えたくらいだから管理人が少数派でもないようだ。
寒い季節、心だけでもあったまりたい方、ぜひぜひご一読あれ。

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鬼滅にハマって以来、少年マンガも捨てたもんじゃないなと宗旨替えした管理人。

その管理人が今もっとも推すマンガがこれ。

「チェンソーマン」



正直、画力は低い。
描き分けが不十分で読み流してると「あれ?」ってなることがあるし、進行ももう少し上手くできるような気はする。

描写もとんでもなくグロい。少年誌連載とはとてもとても思えないような血しぶきだらけのスプラッタアクションがこれでもかこれでもかと続く。
登場人物も読者が思い入れを持つ間もなく次々と死んでいく。繰り返すがとても少年ジャンプに載っていた作品とは思えず、読み手を選ぶ作品であることは間違いない。

ただ、それでも魅かれる圧倒的な超展開。
二段飛び三段飛びくらいで予想を裏切る展開が続き、平和な描写で落ち着いたかと思ったのも束の間、奈落の底へ突き落されるような話の高低差に圧倒される。注釈が少ないのも映画的というか、まるで先が読めないのが心地いい。

惜しむらくはサブストーリーの不足。
各キャラのバックボーンに掘り下げが無いから、誰も彼もただミステリアスなだけに留まり浅い。今この現実の社会と比べ、銃の悪魔が襲来した後の世界がどう異なるのかも見えにくい。冗長にならずスッパリ終われた(ひと区切り付けた)のはこのおかげでもあるのだろうけども。

そして、設定上仕方がないとはいえ、愛くるしい外見のポチタをほぼほぼ本編に出せず退場させてしまったのがもったいない。血しぶきが舞い内蔵が飛び出るグロい戦闘シーンの描写に対し、あのかわいらしいポチタがいれば逆に異常さを際立たせられたのではないかと思う。

とはいえ、疾走感ある傑作には違いない。
万人受けする作品ではないにも関わらずアニメ化が決定したのがその証拠。読んでおいて損はなし。アニメに興味ない管理人もこれはチェックしよう。

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ちょうど一年ぶりのマンガ記事。そう、管理人は夜に野球を見なくていい冬の時期にマンガを読みふける傾向にあるw

聲の形 / 大今良時
話題の問題作。少年誌に掲載された恋愛ものなんてとてもとても読めたものじゃないけれど、この作品に足された味付けがあまりに強烈で、それが故に十分に大人の鑑賞に耐え得る作品になった。この作品のヒロインは聴覚障害者。主人公は幼い頃そのヒロインをいじめた張本人。高校生の恋愛と過去の贖罪が交り合う世界は美しくも儚くて重い。
管理人が子供の頃にも同じような障害を抱えた同級生がいた。ご多分に漏れずいじめのような被害に遭い、その子はこのヒロインのように内側へは向かず外側へ力を向け非行に走った。読みながら嫌でも頭を過るその記憶。
子供だからできる残酷な仕打ちがどれだけ人を傷付けるか、思春期に受けた傷がどれほどに人格形成に影響を与えるか。人のいやらしさを見せながらそれでも前に進もうとする若者の姿に、管理人は心の柔らかいところを突かれたような気持ちになってしまった。
しっかりとした前提を構築するため1巻のほとんどをその説明、本編の前振りのように使った構成もすごい。あれがあるからストーリーに重みが増したし、無理に引き延ばしたりせず全7巻完結のボリューム感もちょうどいい。
そして、とにかくヒロインが可愛い。可愛いからこそ男子の感情移入が進むし、その顔が苦痛に歪む描写、いじめに堪えかね死にたいと涙する場面には胸が詰まる思いがした。年齢によって立場によって読む人ごとに、いや、同じ人でも読む度ごとに印象が変わりそうな作品。
 
健康で文化的な最低限度の生活 / 柏木ハルコ
「おおっ、柏木ハルコじゃないか!」と思った管理人はヤングサンデー世代。この人のなんとも言えない独特の画風と、女性にしか持ち得ない観点で書かれたエロマンガに胸と股間を熱くした世代w その柏木ハルコが(今のところ)エロ抜きで挑む作品。タイトルの通りテーマは生活保護。まだ既刊1巻なのでなんとも判断できないけれど、近年の日本にとって大きな問題である生活保護者にスポットを当てた発想はすごくいい。

僕だけがいない街 / 三部けい
おもしろい!これはおもしろいよ。映画化、ドラマ化されるのが想像に難くない実に映像的な作品。
主人公は身の周りで事件・事故が起きるとその数分前にタイムスリップして、それを回避するために動くのが恒例になっているような役回り。ところが、実の母親が殺されたときタイムスリップした先は18年も前、自分がまだ小学生の1988年。鍵を握るのはその当時自分の同級生が被害に遭った連続殺人事件。28歳の心で小学生生活を送ることになった主人公は未来を変えることができるのか?
・・・もうこれだけでおもしろそうじゃん?実際おもしろいんですよ。で、なかなか真相が見えてこないサスペンスの要素と、殺人事件を回避すべく動くことで自ずとその相手に芽生えるロマンス、希望と絶望、現在と過去をクロスオーバーさせながら進むストーリーはとってもスリリング。そして、これも聲の形と同様、1巻をほぼ丸々設定説明のために使ってる。いやぁ、これは広げた風呂敷をどう畳むのか楽しみだ。


マンガ家さんというのは、小説を書く作家や映画監督と同等、いやそれ以上に評価されて然るべきアーティスト。マンガの黄金期というのはとうに過ぎてしまっているとは思うけど、それでもこうして素晴らしい作品を生み出し続けているアーティストはいる。未読の方、ぜひご一読あれ。
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またまたマンガのレビュー。

「惡の華」 押見修造
このタイトルを見るとついつい「燃える血を忘れた訳じゃない 甘い温もりが目に染みただけ」と歌いたくなる世代の管理人。言葉の魅力というか、実に魅惑的な響きのあるタイトルだよな。
いわゆる「中二病」、その頃なら誰しもが持つ強烈な性衝動。田舎の小さな町で、ここを抜けだしたいと思う気持ち。それらが実に歪んだ形で描かれてる。展開が遅い感じはあるけれど、暴走&暴走&暴走で展開されるストーリーと、淡い恋心と性欲の狭間であがき、「自分とはなんぞや」という大人が過去に忘れてきた命題に全力で立ち向かう中学生の姿は必読の価値あり。
でも、いまいち感情移入できないのは、この登場人物たちはあまりにも全力でアクセルを踏むから。ここまで突き抜けられないからこその「中二病」だと思うんだけど、ここの登場人物たちは見てる側を置き去りにするほど全力で生き急ぎ、全力で失敗する。そして、主役の春日があまりにモテすぎるのも入り込んでいきにくい要因。
ただ、それでも仲村佐和のキャラには惹きつけられるし、10巻で彼女が再登場したことで続きは楽しみになった。

「亜人」 桜井画門
思うんだけど、マンガなんてものは画風が嫌いなら、それだけを理由に読まなくたって別にいいんだよ。かくいう管理人も、名作、傑作の呼び声が高い作品で、画が自分に合わずに読んでいないものが多数ある。
で、この作者の画風は、本作のテーマにちょっと合ってない。決して下手な人ではないと思うけど、ケイもカイもどうにも少年マンガ風に見えて違和感がある。
一応、今話題のマンガということで読んでみたけど、全てにおいて惜しい感じ。設定も画もキャラも展開も、すべてがどこか足りない。つまらない訳じゃないし、1巻の段階では今後へのワクワク感もあったのだけど、既刊の3巻まで読んだところで飽きてきた。ただ、完全に見切るには惜しい思いがあるのも事実。まあ、買う気にはならんけど、ネカフェで読むならいいかなぁって感じ。


今、管理人はマンガがマイブームで、いろんなものを読み漁ってます。きっとまたレビュー記事があることでしょう。
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連日オリンピックを見てて思う。
冬季の種目は、下手すると死ぬ競技が多いw 信じられないほどクルクル回転するスノボ、時速130キロ超で滑走するスキーとソリ。そして、何のきっかけで競技人生を始めたのか気になって仕方ないスキージャンプ。死と隣り合わせみたいな競技が多くて面白い反面、冬季が夏季ほど盛り上がらないのはこのせいもあるんだろうなあと思う。だって、ほとんどの人がやったことのない種目ばっかりなんだもんな。なかなか縁の無い競技が多いし、それは環境がどうこうもそうだけど、リスキー過ぎて競技人口が伸びないことが原因だよ。我が子にスキージャンプをやらせたいと思う親なんてほぼおらんだろうしな。


さて、今日は最近読んだマンガのレビュー。

「ULTRAMAN」 清水栄一/下口智裕
そう、あのウルトラマン。誰もが知るヒーローが、まったく予期せぬ形で現代に再登場。主役はあのハヤタ隊員の息子(?)。ともすると大コケしそうな設定なんだけど、これはおもろい。セブンイレブンにしか置いてない「ヒーローズ」というマイナー誌掲載ながら、確実に人気が出始めてる作品。まあ、諸星が正体を明かすまでに溜め過ぎた感じはあるけどね。既刊3巻でまだまだこれからなので先物買いしといて損無し。

「ボーイズ・オン・ザ・ラン」 花沢健吾
やっと読んだぞ。なんだよなんだよ、すげえおもしろいじゃんw 管理人がまったく知らぬ間に映画化もドラマ化もされてたのねw どこに向かっていくのかが全く読めないジェットコースターマンガ。サラリーマン物かと思った予想は見事に裏切られ、ヒロインと思い込んでいた女性キャラがサセ子になり転落していくサマは圧巻。じゃあボクシングマンガか?と言われれば、それもまったく違うという読み応えたっぷりの傑作。後半のメインになる要素が、かなり序盤で伏線的に登場してたことにも感心。読みながらどこか「宮本から君へ」の匂いを感じたけど、ウィキ見たら作者がまさにそれをバイブルと崇めているそうで納得。予想の斜め上を行き続けてくれた気持ちいい作品。

「ぼくは麻里のなか」 押見修造
散々使い倒されてきた男女の心と身体入れ替わりネタ。それでもグッと引き込まれるのは、そのネタに思いもよらぬ味付けがされてるから。最終的にどう落とすのかがイヤでも気になるし、絵柄のキレイさが読み易さに多大な貢献をしてる。これも既刊2巻でまだまだこれから(しかも隔週誌で月イチ掲載w)。追いかけにくくなる前に読んでおくべし。


このマンガレビューは管理人の気分次第でシリーズ化しますw

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ネットカフェにて、珍しく少年マンガを読んだ。
そう、管理人は青年マンガに関しちゃそこそこ詳しいけれど、少年マンガにはとんとご無沙汰(ただし、ワンピは特例)。

何を読んだかというと「バクマン。」。簡単に言えばマンガ家を主人公とした話。
昔からこのジャンルは「吼えろペン」とか「いつでも夢を」とか、本当に古くはトキワ荘とか当たりが多い。そりゃそうだわな、なんたってリアリティが違うし、マンガ家の実態なんてのはマンガ家じゃない人からしたらかなり奇異だし新鮮だ。面白くなる下地ができてる。
で、バクマン。もなかなか面白い。プラトニックすぎる恋愛がいい年したオッサンにはちいとしんどいけど、マンガ家という職業のハードさ、週刊連載のシビアさはよく描けてる。まだ全部読み終わってないから感想は書けないけど、続きが気になって飽きない。
その舞台になってるのは週刊ジャンプ編集部。ジャンプに掲載すること、ジャンプで連載を続けることがテーマのマンガ。それを読み進めるうちに管理人の昔懐かしい記憶に火が点いた。

そう、管理人はジャンプ世代。ジャンプ黄金期をリアルタイムで味わった世代。
売上的な黄金期はドラゴンボールとスラムダンクの二枚看板を擁した時期なのだろうけど(管理人はこの頃既にジャンプ卒業済み)、管理人が毎週楽しみにジャンプを買っていた小学校~中学校前半の時期もすごかった。「キン肉マン」、「北斗の拳」、「Dr.スランプ」、「キャプテン翼」、「キャッツアイ」、「シティーハンター」、「電影少女」、「きまぐれオレンジロード」、「魁!!男塾」、「聖闘士星矢」、「ろくでなしBLUES」・・・そして今も続く「こち亀」と「ジョジョ」。お世辞でなしにジャンプがどこから読んでも面白かった時代。楽しみなマンガが常に10本程度あった奇跡の週刊マンガ誌。上に挙げたマンガの中で、アニメ化されたもの、実写で映画化されたもの、掲載誌を変えて続編が描かれたものがいかに多いか。いかに娯楽の少ない時代とはいえ、この時期のジャンプマンガのレベルの高さは異常だと思う。

その異常にハイレベルなジャンプの中で、子供の頃の管理人がもっとも愛したマンガ。それがこれ。


そう、奇面組。「3年奇面組」から「ハイスクール!奇面組」へと名を変え、延べ8年弱に渡ってジャンプに連載されたマンガ。管理人がもっとも影響を受けたギャグマンガ。
近所のブックオフで見付けて思わず買ってしまった。なんたってたったの105円なんだもの。ネカフェに3時間いたら1,000円程度かかることを考えたら買わない手は無い。
・・・面白かった。本当に面白かった。子供の頃何度も何度も読み返したマンガだから、読みながら当時の事を思い出して心がほっこりした。「変態」という言葉を世間に定着させた張本人でありながら、エログロの類は一切出てこないピュアな学園ギャグマンガ。これに魅せられて育ったせいか、この年になって逆に美しく見えるせいか、なにか気持ちが穏やかになるような感覚を味わった。そして、懐かしさだけじゃない。ここに描かれている笑いは今でも十分に通用するレベルだった。思い入れとか関係なく、普通に大笑いしてしまったw
そして、一度ハマると一気にいく管理人は、105円なのをいいことにこの文庫版奇面組を11巻まで大人買いしてきたw
うん、しばらくは穏やかな気持ちで笑って過ごせそうだ。
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キャンプインということもあって、久々に野球絡みの話題。

言わずもがな野球が好きな管理人。野球というスポーツそのものに魅せられているのは事実ですが、国内最大の市場を誇る競技だけに、少し角度を変えて野球を捉えると、それはそれでまた面白い。

その代表格が、年末になるとTBSで必ずやる番組「戦力外通告 クビを宣告された男達」。なんだかんだで毎年見てる。
年俸数千万を誇った選手が、一時代を築いた選手が、いとも簡単に失業し明日のアテも無い身になる。これはやっぱりドラマチックだ。
ただ、この番組の欠点は、どこかの球団に拾われてハッピーエンドになるか、どこからも声がかからずバッドエンドになるかの二択でしか完結し得ない点にある。加えて、どこかに拾われた選手がその後どうなったのか?ここまで描かなきゃ本当の完結ですらない。トライアウト入団の選手で、新天地で活躍した選手がいったい何人いるよ?「バンザーイ、おめでとー!」の一年後にまたクビになったりしてるんだから、そこまで見せてやっと終幕なんだけどな。やっぱりTBSじゃ無理か。

で、ようやく本題。

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話題のマンガ「グラゼニ」。
ちなみにタイトルは、「グランドには銭が埋まってる」を略した造語。

プロ野球を舞台にしたマンガだけど、ここにはすごい強打者も、男前のエースも出てこない。主役は、そのチームのファンでもない限り顔と名前が一致しないような中継ぎ投手。自分のグッズは何一つ売られていないけど、それでもなんとか一軍の席は確保できてるような、そんな微妙な立場の選手。

こういう、ずば抜けて高収入な訳でもなく、引退後野球でメシを食っていける可能性もほぼ無いような選手が、日々いったい何を考えて野球をしているのかを描いた、ちょっと捻った企画のマンガ。・・・いい、実にいいw こういう角度をずらした視点は素晴らしい。この記事のタイトル通り、プロに入ってくる選手はほとんどが子供の頃からエースで四番。その学校で一番でなく、その市でその県で一番の選手ばかり。でも、プロで活躍できて、億単位の年俸を手にして、富も名声も手に入れるのは本当に一握り。華やかさの陰に漆黒の闇ありの世界。

他人のすごい才能を目の当たりにした中でのモチベーションの維持だったり、葛藤だったり裏事情だったり、所属チームの勝敗を度外視して描かれる人間ドラマは面白かった。2巻まで読んで気に入ったんで、明日3巻買ってくるわw

で、この主人公は巨人だったら誰にあたるかと考える。
・・・高木だねw
中継ぎだから、左投げだからとかだけでなく、勝ち試合で投げたり負け試合で投げたりするポジションの微妙さ、一軍選手の中での年俸ランク、実に高木だね。移籍組だってことを考慮しても、高木以外にはあり得ないマッチングっぷりw

野球選手を、「テレビの中の人」や「カクテル光線の下のスター」でなく、同じ生身の人間として感じられるいいマンガです。未読の方、ぜひお試しあれ。
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新年の挨拶もせず、ブログをほったらかして管理人は何をしてるんだ?


と気にしてくれてる読者の人もいるのかな?アクセスログ見る限りいるんだろうなぁ。実にありがたいことです。

まあ、仕事が忙しかったり、あまりに寒くてPCの前に長時間座る気になれなかったりつまらない理由はありますが、実はハマってるんですよ、世間よりもだいぶだいぶ遅れて。

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ええ、ワンピですw
マンガ自体は大好きですが、いわゆる少年漫画を読まないアタクシ。加えて流行りものが嫌いな上に、近年のものすごいワンピコラボ攻撃にげんなりしてるのも相まって毛嫌いしてました。

・・・それがさぁ、読んだらやられましたわ。
一気に大人買いして読み漁ってます。さすがに60冊以上買うのはしんどいので総集編にしましたけどね。

正直、画力は物足りない。せっかく見開きにしてる戦闘シーンが何が何だかわからなくて、興醒めすることも多い。
でも、こうグイッと引き込まれたわ。スリリングな本編に、感動ものの回想シーン、過去シーンが挿入されるパターンの繰り返しだけど、キャラが立ってる上にどの話も練られてる。忘れた頃になされる伏線の回収も鮮やかだ。少年誌に載せとくにはもったいないくらいだわ。

よく「大人が泣く」と言われてる作品だけど、チョッパー&ヒルルク、ビビとの別れ、カルガラ&ノーランド、どれも泣かずに耐えた。
でも、ロビンとオルビアのエピソードで負けたw 涙で曇って見えなくなった。小さい子供と母親ものは反則だ。あれのおかげで、それまでまるで感情移入できなかったロビンが一気に好きになった。って、これが作者の狙いなんだろうけどね。
んで、メリー号のラストで大号泣www しゃくりあげて泣いた。もう、あの最後の航海からウルウル来てたけど、最後の声でとどめ刺された。今思い出しても泣ける。 
読んだ小説の数も観た映画の数も普通の人より絶対に多い、と断言できるけど、それらのジャンルを飛び越えて比べても屈指の感動エピソード。まいったまいった。完全に俺の負けだw

最近は勢いが落ちてる、なんて評価もあるようだけど、アタクシはようやくW7まで読み終えた段階なので、まだまだ楽しみが残ってますw 大変申し訳ございませんが、しばらくはそっちにかまけて遅筆なブログになるかと思われます。

てな訳で、スピードスターにあこがれて。今年もよろしく。


            _∧_∧ 巨人とチョッパーのコラボフィギュアを買わねばのう・・・
       ___( ( ´・ω・)___
      / \    ̄ ̄ ̄__\
     .<\※ \____|\____ヽ
        ヽ\ ※ ※ ※| |====B=|
        \`ー──-.|\|___l__◎..|ヽ
          ̄ ̄ ̄ ̄| .| ̄ ̄ ̄ ̄|
               \|        |~

 

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小学館が30日、青年コミック誌『週刊 ヤングサンデー』の休刊を正式に発表。



うわああああああっ


・殺し屋1(全巻持ってる)
・新・のぞき屋(全巻持ってる)
・ザ・ワールド・イズ・マイン(全巻持ってる)
・月光の囁き(全巻持ってる)
・冬物語(全巻持ってる)ほか原秀則作品
・海猿(大傑作)
・度胸星(ちゃんと完結させてあげたかった・・・)
・青春くん(これあってのヤンサン)

Drコトーはドラマが当たったけど原作はイマイチだった、チャイルドプラネットは明らかにドラゴンヘッドを意識してた、その他思い出いっぱい('A` )。ヤンマガよりスピリッツより思い出いっぱい( 'A`)。

でも、ここ5年間1度も買ってない。

たぶん、俺みたいな奴が廃刊に追い込んでしまったのかなと。
でも、ホントに無くなっちゃうと寂しいです。

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