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白球追いかけ薄給になった管理人が運営するジャイアンツブログです。     ※コメントに書きたくないご意見ご感想はcoolvanilla3(アットマーク)gmail.com までどうぞ  
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バッターにとって、バッティングを捨てるということはいかなるものなのだろう。
プロに入ってくるような選手は、みんなその街で一番だったようなエリート中のエリート。守備が売りの選手だって足が売りの選手だって、学生の頃はそのほとんどがクリーンアップを打ちチームを牽引してきた主力打者だったはず。
自らが生き残るためとはいえ、守備に徹し走りに徹し、バッティングを半ば諦めたような立場になるのはどういう心境なのだろう。

鈴木尚広という選手のキャリアハイは2008年。
この年夏場以降1番センターに定着し、規定未到達ながら105試合で打率304、出塁率は354で決めた盗塁は30を数えた。
それまで俊足の1番打者が少なかったジャイアンツにとって、待望のスピードスターリードオフマンの誕生だった。伝説の「メークレジェンド」も尚広の活躍無しでは成し得なかったと断言できる。


転機が訪れたのは2010年。
前年に台頭しレギュラーの座を掴んだ松本、その年即戦力として入団した長野に押し出されるように出番が激減。いわゆる代走稼業になったのはこの年からだと思う。

プロ野球において、あるようでなかった代走の専門家。
足の速い若手選手は代走に甘んじることを良しとしない。それを足がかりに少しでも打席に立ちたい、1イニングでも多く出場したいとチャンスを狙うのが当たり前。
逆に元リードオフマンのベテランは走力が衰え走れない。様々な身体能力が求められる野球だけど、もっとも早く衰えるのが走力。サッカー選手や陸上選手の選手寿命は野球選手のそれより圧倒的に短い。これはもう、言葉を並べずとも自分自身のことで考えてもわかるはず。

その隙間に元リードオフマンのスピードスターがすっぽり収まった。
これは原政権最大の発明品だと思うし、何よりも尚広本人の弛まぬ努力の賜物。
代走鈴木に脅威を感じなかった他球団ファンなんていない、鈴木にやられた経験のない他球団もない。にも関わらず、どこのチームもこの選手起用を真似できなかった。「代走の切り札」が魅力的なカードであることを百も認めながらも、誰もこれをやれる選手がいなかった。ここに鈴木尚広の真価がある。
ジャイアンツだって他人事じゃない。尚広の後任は藤村や吉川程度じゃ務まらない。今いるメンツなら、片岡くらい盗塁技術のある選手をこのポジションに置くくらいじゃないと、尚広の後釜には成り得ない。

尚広が代走稼業を務めた時代、ジャイアンツには石井ちゃん、矢野、由伸と代打の切り札がいた。この2つのキラーカードを組み合わせて、試合の終盤にたたみ掛ける原采配の美しかったこと美しかったこと。代打の切り札が出塁して代走尚広でもいい、先に尚広を出してピッチャーの心理を弄びながら出す代打でもいい。これほどワクワクして見られた胸躍るような攻撃もなかった。

96年のドラフトで入団。そこから一軍初出場まで実に5年。
遅咲きのスピードスターは、誰にも咲かせられない花を咲かせて20年の戦いを終えた。
規定打席到達が遂に一度もないままの20年間。それにも関わらず決めた盗塁228。警戒され執拗に牽制される中、代走で決めた盗塁実に132。
ジャイアンツファンは背番号12にプロの流儀を見ていたから、代走で登場する尚広に割れんばかりの大声援を送った。打席に入っている選手でなく、一塁にいる尚広に「走れ!走れ!たっかひろっ!」の大コールを送った。バッティングを捨てて足に特化した覚悟、誰よりも早く球場入りして、あるかわからない一瞬の出番に備える努力。それを知っていたから尚広はレギュラー選手よりも人気があった。

寂しくなる。大好きな選手が去っていく事実だけでなく、また一つ原野球が終わった気がする。今年の使われ方を見るにつけ、尚広というキラーカードは百戦錬磨の原でないと使いこなせないジョーカーだもの。
尚広が魅せた足は、まったく新しい野球の新基軸。尚広が代走屋をしていた7年間で、目立たない脇役だった代走業はこんなにも魅力的でかっこいいポジションになった。

本当にお疲れ様でした。外野席から観ていて、スタートを切った瞬間の「行った!」と声が出る高揚感。一瞬の後の大歓声。一生忘れません。まったく減速のない低空ドロップキックのようなスライディング。盗塁を決めた後も何事もなかったかのように塁上で涼しい顔をしている姿。スピードスターが好きな管理人にとって、あなたに魅せてもらった全てが宝物です。ありがとうございました。ゆっくりゆっくり休んでください。にほんブログ村 野球ブログ 読売ジャイアンツへ
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無題

代打由伸 → 高速レガース外し → 代走尚広

この流れるような終盤の攻防戦が格別でした。・゜・(ノД`)・゜・。

今でも信じたくないよぅ…(つД`)
ヤクルト戦、伝説のサヨナラホームインのGIFは一生持っていきます。
くせもの2号 2016/10/13(Thu)18:12:33 編集
無題
今年何度タカヒロさんの無駄使いするんじゃないと憤ったことか…
実は今年の巨人で一年間ずっと一軍にいた野手は3人しかいなかったのですが、タカヒロさんはそのうちの一人でした。(後の2人は村田と長野)
ジョーカーなのはわかっていたのにベンチが使いこなせなかったということなんでしょうね…

来シーズン、サヨナラの走者に
「代走鈴木尚広」
のアナウンスが流れない時に余計に実感するんだろうな…

20年間お疲れさま&ありがとうございました…!
もぐ 2016/10/13(Thu)23:03:06 編集
牽制死した
あの後、なんとなく尚広さんは引退されるかもしれない、という気はしていました。
何かいつもと違う雰囲気があって。

試合終盤の原采配のあの流れは、本当に様式美のように美しかったですね…。
わくわくして胸踊る瞬間。
スラッガーではないのに、尚広さんが出てきたら絶対なんとかなる!と思わせてくれた…実際になんとかしてくれていましたし。
打撃じゃなくて脚、走塁技術だけであそこまで人を魅了しシビレさせる選手はいないと思います。
準備を重ねた上で一瞬にかけるその姿はまさにプロの中のプロフェッショナル、誰より輝いていましたし、巨人ファンの心に永遠に焼き付いていくものだと思います。
ホントにこんな選手、他にいませんもん…唯一無二。

尚広さんの、
「いつ出るか(出番があるか)わからない試合を見つめて準備していく、その時間の方が長い。そこが僕の思い出の場所。」
という言葉がとても印象的でした。
そこの大変で大切な時間があってこそ、あのすさまじい緊張とプレッシャーの中での一瞬の煌めきなのですね…。

このスタイルで生きていくと決断した尚広さんの果てしない努力と、原さんの彼を活かせる技量が合わさった、奇跡…。
鮮やかなオレンジ色のグローブをはめたあの姿が、もう見られないなんて淋しすぎます。
しばらくは離れていろいろ学びたいそうですが、また戻って指導したい気持ちはおありなようなので…その時を待っています。
本当に本当に、お疲れ様でした。
他の選手達以上の緊張続きな毎日、どれ程しんどかった事でしょう。
ただただ尚広さん、たくさんの感動と喜びをありがとう。ですね…。





あにーす☆ 2016/10/14(Fri)15:31:58 編集
無題
寂しいです(・・、)
すっきりした顔で臨んだ記者会見を見て
さらに寂しくなりました。
でもきっともぐさんの言うように
我々が本当の寂しさを感じるのは
来シーズンでしょう。
終盤村田や阿部が出塁するたびに
『あ~尚広がいれば』って何度も何度も寂しくなるに違いないです。
今年も何度もそういう場面がありながら
尚広が『俺の出番』と監督の方を見ても動かない。
そんな場面がありましたね。
そのことが残念でなりません。
サザエさんちのタマ 2016/10/14(Fri)15:50:31 編集
>>くせもの2号さん
単純にまた一段と弱くなりますね。
代打もいない、代走もいない。スタメンだけで戦う感がより一層強くなりました・・・。
SSA管理人 2016/10/15(Sat)23:44:43 編集
>>もぐさん
原と尚広は絶対的な信頼関係とあうんの呼吸がありました。原が球審を呼ぶより早く、勝手にベンチを出て一塁に向かう尚広を何度見たことか。
今年は上手く使えなかったよなあ・・・。
SSA管理人 2016/10/15(Sat)23:46:38 編集
>>あにーす☆さん
あまりそのスタンスで語られないんですが、代走の在り方とか、攻めのバリエーションという意味で鈴木尚広ってエポックメイキングでしたよ。
代わりはもう出てこないだろなあ。代走なのにレギュラーより人気があって、何度もヒーローインタビューに立つ異例も異例の存在でした。
SSA管理人 2016/10/15(Sat)23:49:37 編集
>>サザエさんちのタマさん
原はたぶん「試合の中で必ず尚広を使う」気でいたんです。だから勝負どころを見落とさなかったし間違わなかった。
由伸にそこまでの意識はないから、普通に代走が必要な状況になったらそのときに考えてたんだと思います。だから出し惜しみになったり無駄使いになったり、扱いこなせなかった感が強いですね。
SSA管理人 2016/10/15(Sat)23:52:54 編集


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