セットアッパーという言葉は、ほんの10年前まではほとんど聞かれなかったように思います。
まっさらなマウンドに上がるスターターでもなく、勝利の瞬間マウンドにいるクローザーでもなく、セットアッパーと呼ばれるピッチャー達は、7回、8回を抑えるためだけに連日投げ続けます。
いつの日かスターターになることを夢見て投げる者あり、逆にクローザーを目標にする者あり、はたまたヤクルト五十嵐、巨人豊田のように過去にクローザーを経験した者あり。
このポジションの知名度を上げたのは、やはり何と言っても阪神のJFKでしょう。ロッテのYFKなんてのもあって、彼等の活躍でセットアッパーという言葉が定着し、陽の目が当たるようになってきました。
中継ぎ投手を評価する「ホールド」、ホールドと救援勝利を足した「HP」もできましたが、この制度、なぜだか野球ファンにもあまり浸透していません。1試合の中でホールドが付く投手は一人だけではないこと、自軍が負けた試合でもホールドが付くケースがあること、これらを理解している野球ファンはそんなに多くないと思います。
完投する投手がほとんどいなくなった現代野球において、セットアッパーの役割はかなり重要です。
例えば巨人には
山口 21試合 14HP 防1.09
越智 20試合 8 HP 防2.01
豊田 19試合 10HP 防2.87
の3人のセットアッパーがいます。彼らの貢献度は説明不要でしょう。
巨人だけじゃありません。2位のヤクルトには
松岡 16試合 8HP 防2.04
五十嵐 16試合 9HP 防2.35
押本 16試合 6HP 防2.60
と巨人に負けないセットアッパーがいます。
そして、セリーグ最強のセットアッパー陣は、巨人でもヤクルトでもなく実は広島にいます。
シュルツ 19試合 11HP 防0.48
横山 15試合 9HP 防1.93
梅津 20試合 9HP 防0.89
驚くほどの充実ぶり。思わず目を見張る素晴らしい成績です。
繰り返しますが、彼らはゲームを作る立場でもなく、ゲームを締める立場でもなく、
クローザーにバトンを渡すため、
自軍に流れを呼び込むため、
スターターが招いたピンチを封じるため、
そのために毎試合のように肩を作り、2試合に1回に近いハイペースでマウンドに上がります。
もっともっと注目されていいポジションだと思いますし、これだけ出番が多い訳ですから、彼らを観に、応援しに球場に足を運ぶファンが増えてほしく思います。
今日から交流戦。セットアッパーに注目です。
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