雨で試合が中止になってしまったので箸休めに野球コラムを。
先週、話題のWBC映画を見てきた。
WBC絡みの特番は山ほどあった気がするけれど、それでも初めて見る映像ばかりだったし、映画レビューサイトで軒並み高評価なのが示すようにとても感動的な映画だった。
それを見ながら、観戦した韓国戦のことを思い出した。
試合前のバッティング練習。
まあ、いまだかつてあれほど注目を集めたバッティング練習があったのだろうか。大谷くんが打席に入ると一斉に降り注ぐフラッシュの雨、一球ごとにどよめく観客。そして、その期待を裏切らずバズーカのような打球を次々スタンドにぶち込む大谷くん。
真剣勝負の試合とは少し毛色が異なり、あの時間はなんというかエンタメ色100%の時間だったように思う。
ライトスタンド中段で見ていた管理人は、自分のところに飛んできそうな大谷くんの打球にビビりながら、誰かNPBの打者でこの規格外のメジャーリーガーに対抗できる選手はいないもんだろうかと内心少しもやもやしていた。
・・・いた。
それが他でもない「Y容疑者」こと山川だった。
大谷くんの打球は、スタンドめがけて一直線に飛んでくるライナー。
それと比べて山川の打球は一度空高く舞い上がる。一瞬の静止の後、弧を描いてスタンドに吸い込まれる大きな大きな放物線。
管理人のいたライト側からはレフトへ飛んだ弾道がよく見える。今もハッキリ目に焼き付いている本当に美しく豪快なアーチだった。それをいとも簡単に何球も何球も打ち込んでいた。
侍ジャパンにはこの二人だけじゃなく、知っての通り、村上くん岡本 牧ほか日本を代表するスラッガーがズラリいた。でも、彼らの打球と比べても、大谷くんのバズーカと山川の放物線は明らかに別格だった。プロの中で突出しているんじゃなく、日本を代表するトッププロの中でそれでも頭一つ抜けてた。
その稀代のホームランアーティストはこのまま闇に埋もれていくのだろうか。
自業自得に違いない話に同情する気は微塵もないし、特別に彼が好きな訳でもない。むしろこういう色の選手は嫌いなくらいだ。
それでも、あれだけの夢を見せられる天賦の才が失われるのは惜しい。今はこの表現に留めておくけど、あの放物線が失われるのはとてつもなく惜しい。
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