石川とか能見とか吉見とか、ライバルとなるチームのエース格に対してはスコアラーが徹底的に研究、分析をする。そりゃそうだ、年間に何度も何度も対戦するんだもん。
初球の入りはどの球種が多いか、決め球はどのコースにどの球種が多いか、持ち球は何があるか、球種によって腕の振り、フォームに違いは出るか、牽制するときのクセはあるか、ありとあらゆる角度から丸裸にされる。

じゃあ、リーグの違うピッチャー相手にそこまでやってるだろうか？　
・・・「何もやってない」とは言わないけど、同リーグのピッチャーに対する仕事と同レベルじゃあないよね。だって、どんなに多くてもぶつかるのは２回だけ。ほとんどの場合は年間１回だけの対戦だもの。たぶん、試合前に配球チャート見るくらいなもんじゃなかろうか。

で、「初見」とは言わないまでも、あまりお互いにデータの無いピッチャーとバッターが対戦したらどっちが有利か？
言うまでもなく、「打って３割」の世界。当然にピッチャーが有利だわな。

加えて、交流戦は日程がスカスカ。２勤１休、週５試合の超ラクチンペース。
先発６番手を誰にしようかとか、６人いても足りないローテの谷間をどうしようかとか、悩む心配まったく無し。開幕からここまで順当にローテを張ってきたピッチャーたちが、休養十分で出てくる。ピッチャーによっては、投げる曜日が変わるせいでリズムが合わなかったりするケースもありそうだけど、中継ぎ陣に関して言えば絶対的にラク。ペナントよりも１００％ラク。連投疲れの心配も無いから、勝ちパターンのピッチャーが惜しげもなくバンバン出てくる。

こういうシチュエーションだから、いい先発投手が豊富なパリーグにこてんぱんにやられてきた近年の交流戦。ついでに言えば、やっぱり観客が多くて地上波や無料BSで中継される巨人戦、阪神戦だからこそ、余計に頑張る選手もいるだろうしね。

じゃあ、「やはり今年もパリーグ有利か」というと、ちょっと違うと思う。
ダルビッシュ、岩隈、和田はメジャーに行き、杉内は味方になり、田中は腰痛で二軍にいて、涌井は不調で抑えをやってる。この６人、怪我さえなければ間違いなく日本代表レベルのピッチャー。これは去年までとは全然状況が違うだろ。
もちろん、それでもまだパにいいピッチャーはいるけれど、それを言い出したらセにだっていいピッチャーはたくさんいる。４回対戦する中で、内海、澤村、杉内、宮國と当たって余裕かましてられるチームはパにあるのかい？
で、いい先発が出てきて、リードした展開だからこその勝ちパターン中継ぎ陣。相手の先発を打ち崩したら、勝ちパターンリリーバーの出番は無いさ。

だから、今年はおおいにチャンス有り。
ここ数年、「交流戦は５割でいければいいや」の風潮があったけど、今年は一気に上昇できるチャンス有り。パリーグ各チームエースの皆さん、どーんとかかってきなさい！
ｶﾓ━━━━щ（ﾟДﾟщ）━━━━ﾝ