ワッキー、お疲れさまでした。
こうなることは薄々予想してましたが、いざ現実のものとなるとやっぱり少し寂しいです。
あなたの野球人生は、本が一冊書けるほど波乱万丈なものです。
レギュラーを掴みかけ、己の居場所を確固たるものにしつつあるときに起きた大怪我。丸一年間を育成選手としてリハビリに充て、地獄の底から復活してきたこと。
そんな、ともすれば美談として利用されそうな経歴にも関わらず、FAの人的補償で西武に行くはめになったこと。その西武で巨人ファンも西武ファンも予想しなかった活躍を見せ、見事自力で勝ち取ったFA権で愛するチームに帰ってきたこと。
これはもう映画化したっていいくらいのドラマチックな半生です。
でも、これだけ波乱に富んだ野球人生でありながら、それが巨人ファンにすらあまり認知されていないのが実にあなたらしいところです。
主役よりも脇役が似合ってしまうその佇まい。あまりに老け顔で若手の頃から「最後のV9戦士」とメチャクチャなあだ名で呼ばれていたあなたならではです。
地味な脇役、いわば伏兵でありながら、あなたは記憶に残る選手でもありました。少ない出番の中でしっかり爪痕を残していけるというか、決してレギュラーではないものの存在感の大きい選手でした。
一昨年夏のサヨナラホームラン。甲子園のいわゆる「テレビが壊れているんじゃないですか?」事件。09年CSのシリーズMVP。
そして管理人の記憶にもっとも強く残っているのは、07年シーズン後半の大一番。優勝を争っていた中日との直接対決で、実質的に勝った方が優勝決定になるような大事な試合。実はこの試合は管理人がジャイアンツ愛を取り戻し、ブログを始めるきっかけになった試合です。そこであなたが打ってくれたあのホームランは一生忘れません。
そして、あなたのようなクラッチヒッターがベンチに控え、代打だけでなく、内野全てのポジションの守備固め、俊足を活かしての代走もこなせたのが栄光の原巨人。
また一人、あの頃を知る選手がいなくなります。強い巨人を身体で知っている選手が減ります。寂しい限りです。
ワッキー、お疲れさまでした。ゆっくり休んでください。
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